1999 年 40 巻 12 号 p. 649-653
小児期非アルコール性脂肪性肝炎の報告は限られている. 我々は病因不明の高トランスアミナーゼ血症を主訴とし, 検査の結果, 非アルコール性脂肪性肝炎と診断した2男児例を経験した. 2例共に肥満, 高レプチン血症, 1例に耐糖能の異常を認めた. 肝組織像は両例に大脂肪滴型脂肪肝の他, 肝実質では軽度の炎症性細胞浸潤, 肝細胞壊死を認め, 門脈域では軽度の炎症性細胞浸潤, 線維化が認められた. 慢性肝機能異常を認める肥満児の長期的予後, 特に進行性肝病変への進展が危惧される.