ポリアニリンの半酸化体であるエメラルディン (EB) のヨウ素ドーピングについて研究した. 500mg/100mLまでの低濃度ヨウ素ドーピングではベンゼンジアミン部分が酸化され, その部分のみに広がったポーラロンが生じる. しかし, 低濃度のヨウ素でドープしたEBは基本的に非晶質であり, 導電率も低く検出できなかった. 1g/100mLを超える高濃度ヨウ素ドーピングではキノンジイミン部分も酸化され, ボーラロンはEB分子鎖全体に広がり, 結晶化が生じる. ヨウ素濃度の増加につれ導電率は急速に増加し, 飽和する.