工業化学雑誌
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赤外吸収スペクトルによる4-クロル-2-ニトロトルエン, 6-クロル-2-ニトロトルエンおよび2-ニトロトルエン混合物の迅速定量
大井 尚文
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1963 年 66 巻 11 号 p. 1585-1587

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抄録

従来の分析法では定量が困難であった4-クロル-2-ニトロトルエン,6-クロル-2-ニトロトルエンおよび2-ニトロトルエンの混合物について, 工業的な行程管理のための簡単かつ迅速な定量法を確立する目的で赤外吸収スぺクトルによる方法を検討した。
定量のkeybandとしては12.23μ,13.45μ,12.77μを選び, まず標準法を検討してこれを確立したあと簡易法としてベースライン法を試み,各key bandにおいて適当なベースラインをひくと,各成分は他成分の吸収め影響なしにそれぞれ1 成分系として簡単に定量できることを認めた。
標準混合試料についての分析結果をYoudenの方法によって検定すると簡易法における標準偏差はそれぞれ0.61%,0.59%,0.65%となり,かたよりもなく標準法の場合と大差はなかった。この簡易法は広い範囲の試料に適用され,迅速な操作で定量できるので工業分析法として有用である。

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