日本化学会誌(化学と工業化学)
Online ISSN : 2185-0925
Print ISSN : 0369-4577
イソノニルアルコール製造のための新触媒プロセスの開発
佐藤 啓一宮沢 千尋和田 啓輔小野田 武
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1994 年 1994 巻 8 号 p. 681-689

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抄録

イソノニルアルコールは,混合オクテンのオキソ反応と次の水素化反応により製造される。オキソ反応の触媒として,新規なロジウムーボスフインオキシド触媒が有効である。イソノニルアルデヒドへの選択率は98%以上である。ロジウム触媒を安定化させるために,オキソ反応液に少量のボスフインを添加し,蒸留により,生成アルデヒドをロジウム触媒液から分離する。この触媒液中のロジウムーボスフイン触媒を酸化剤で酸化することにより,オキソ反応に使用されるロジウムーホスフインオキシド触媒が再生される。この新しい触媒循環システムにより,高価なロジウム触媒を活性な溶液状態のまま繰り返し使用できる。
トリフェニルポスフインオキシドで修飾したロジウム触媒を用いるイソノニルアルコール製造技術が,世界で初めて工業化された。

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