日本化学会誌(化学と工業化学)
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N-フェニルマレイミドの工業的反応方法
喜多 裕一岸野 和夫中川 浩一
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1996 年 1996 巻 3 号 p. 264-268

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抄録

水と混じりにくい不活性な有機溶媒中で N-フェニルマレインアミド酸(PMA)から N-フェニルマレイミド(PMI)を合成する脱水閉環反応における反応過程の考察に基づき PMI の工業的な製造プロセスについて検討を加えた。その結果,下記 3 点が明らかとなり,酸と酸のアニリン塩との混合物を触媒として使用する PMI の有益な工業的製造プロセスの開発が可能となった。すなわち, 1)無水マレィン酸とアニリンから直接 PMI を合成できること。 2)反応温度の低い前段部分と反応温度の高い後段部分において,反応系に加える無水マレイソ酸とアニリンのモル比を変えることにより,触媒相と有機相との分離を著しく改善でき,また PMI の収率も向上すること。 3)分離した触媒は,繰り返し反応に用いることができること。

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