日本食品科学工学会誌
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蕎麦焼酎の特徴香および穀類本格焼酎の揮発性成分分析
境田 博至中原 徳昭渡司 奈穂子甲斐 孝憲中島 美幸榊原 陽一西山 和夫福田 亘博水光 正仁
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2003 年 50 巻 12 号 p. 555-562

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抄録

蕎麦焼酎の特徴香及び米焼酎,麦焼酎との揮発成分の比較を行うためにporapak Q樹脂で濃縮後,Gas Chromatography-Olfactometry (GC-O), Aroma Extract Dilution Analysis (AEDA)法,Gas Chromatography/Mass Spectrometry (GC/MS)で揮発性成分を調べ以下の結果を得た.
(1) 蕎麦焼酎は68種類,米焼酎は60種類,麦焼酎は65種類を同定,定量した.新規の揮発性成分は蕎麦焼酎で21種類,米焼酎で14種類,麦焼酎で18種類であった.また香気寄与成分は未同定の揮発性成分を含めて蕎麦焼酎で22種類,米焼酎で20種類,麦焼酎で23種類であった.
(2) 特にethyl cinnamate (No. 63)はこれまで芋焼酎で報告されたのみであるが,今回,蕎麦焼酎と米焼酎で存在を確認した.更に,蕎麦焼酎に関しては香気寄与成分として重要であることも明らかとなった.
(3) pHによる分別濃縮法で蕎麦焼酎特徴香である成分Xは塩基性画分に存在することが分かった.この成分Xは非常に含有量は少なく同定出来なかった.しかし,非常に閾値が低い揮発性成分であることが示唆された.

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