応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
高分解能放射光を用いたその場光電子分光法でみるSi(001)表面の酸化反応ダイナミクス
寺岡 有殿吉越 章隆
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 71 巻 12 号 p. 1523-1527

詳細
抄録

表面化学反応機構の研究にとって,入射分子の並進運動エネルギーは重要なパラメーターとなる.超奮速分子線と高分解能放射光を併用した表面敏感光電子分光法を用いて,数eVの並進運動エネルギーによって誘起される新しい吸着反応がO2/Si(001)系において見いだされ,ダングリングボンドがあらかじめ終端されているか否かの違いがシリコンニ箪体のバックボンドの酸化に決定的な影響を与えることが明らかになった.さらに,入射分子の並進運動エネルギーを制御することで,室温においてもサブナノメータの酸化膜形成が可能であることが示された.

著者関連情報
© 社団法人 応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top