理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
脳卒中片麻痺患者における健側膝伸筋の等尺性筋出力
生田 泰敏岩月 宏泰岩月 順子岩田 敦子
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1994 年 9 巻 1 号 p. 23-26

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抄録

脳卒中片麻痺患者20名を対象に健側膝伸筋の筋出力特性を等尺性最大筋収縮時のピークトルク,最大筋出力発生に至るまでの経過時間および疲労度から検討した。その結果,各群の男女別によるピークトルクは片麻痺群が7.8±2.1kg·m,5.6±1.9kg·mであり,健常群が12.1±2.3kg·m,7.2±2.1kg·mであった。両群における性別の比較では男性,女性とも片麻痺群が健常群よりも有意に低下していた。男女別による筋出力発生率は片麻痺群が23.3±13.3kg/sec,17.7±9.5kg/secであり,健常群が35.7±11.8kg/sec,25.9±13.5kg/secであり,性別に関わらず両群間に有意な差を認めた。2秒率は片麻痺群が健常群よりも低値を示したが両群間に有意な差を認めなかった。また,片麻痺群は健常群よりピークトルクの減少率は有意に高値を示した。以上の結果から,本疾患の健側膝伸筋の筋力増強訓練には瞬発力と持久性の両面を高めていく必要がある

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