日本臨床外科学会雑誌
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Fibrolamellar hepatocellular carcinomaの1切除例
長谷川 潤高野 征雄武者 信行小向 慎太郎須田 和敬藤田 加奈子斎藤 謙
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2006 年 67 巻 2 号 p. 408-413

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抄録

本邦での報告例は少ないfibrolamellar hepatocellular carcinoma(以下, FLHCC)を経験したので報告する.症例は48歳,男性. HBs抗原, HCV抗体ともに陰性.検診にて肝機能障害を指摘され,近医を受診.肝腫瘍を認め当院にて精査を行った. AFP578.5ng/ml, PIVKA-II 47MAU/mlとともに高値を示した.腹部超音波(以下, USと略記)にて後区域に径約4cmの腫瘍が認められた.腹部単純CTで腫瘍は低吸収域, dynamic CTでは腫瘍は不均一で辺縁から徐々に造影された.血管造影では腫瘍血管に乏しかった. USガイド下生検にてFLHCCと診断され肝右葉切除術を施行した. FLHCCは特殊型の原発性肝細胞癌(以下HCC)で肝硬変のない若年成人に発症し予後は比較的良好であるといわれている.

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