日本化粧品技術者会誌
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熱応答性高分子の液体絆創膏への応用
中井 史郎森 康子芳野 智
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2006 年 40 巻 2 号 p. 104-109

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抄録

液体絆創膏は, 新医薬部外品または一般用医薬品に属し, ピロキシリン (セルロース硝酸エステル) を有機溶媒に溶かし, 創傷面の被覆や殺菌の目的に使用されている。しかし, 有機溶媒臭や創傷部への刺激が強い, 一度皮膜を形成すると剥がすことができない, 有効成分が放出しにくいなどのデメリットがある。N-イソプロピルアクリルアミド (NIPAAM) とメタクリル酸n-ブチル (BMA) をラジカル共重合させることにより熱応答性高分子化合物を合成し, これを基剤に用いることによって以上のデメリットを解決した。さらに, 製剤の皮膜形成による創傷皮膜・保護だけでなく, 抗菌力も有効に発揮できていることを確認した。

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