1960 年 13 巻 6 号 p. 435-440
研究目的合成繊維の柔軟仕上加工において, 近時カチオン性の活性剤が油剤として多く用いられている.われわれは界面活性剤の化学構造と摩擦係数との関係を求める一連の実験の1つとして, 各種アミン塩について検討を加えた.研究結果本実験においては試料繊維としてテリレンをとり, 測定法は既報におけると同じ条件でおこなった.繊維の柔軟性に関しては, 摩擦係数が最も重要な要素を占めることは明らかであるが, この摩擦係数と, ここにとりあげたカチオン活性剤の構造の間の次の効果を求めて考察した.(1) 塩を形成する脂肪酸の鎖長効果 (Amine・R'COOHのR'のC数) (2) アミンの級数効果 (1, 2, 3級の別) (3) アミンの長鎖数効果RNH2, R (CH3) NH, R (CH3) 2N… 長鎖基1個R2NH, R2 (CH3) N長鎖基2個R3N長鎖基3個の別(4) アミンの炭素鎖長C12とC18の効果(5) アミンの長鎖基鎖長とこれに造塩している脂肪酸の鎖長の組合せ効果(6) アミンの窒素に結合する水素の置換効果 (置換基 : メチル基および長鎖基) 置換1個置換2個RNH2R (CH3) 2NH→R (CH3) 2N;メチル基置換RRNH→RR2N : 鎖長基置換