1952 年 5 巻 8 号 p. 442-445
研究目的直接紡績糸について、撚係数と強伸度の関係及び原糸の変化 (S.F.Tow, 捲縮Tow) の上記関係に及ぼす影響につき検討した。研究結果(1) ブレーキング、ドラフト量と切断纎維長の関係は、ドラフト量の増加と共に纎維長は減少する。原糸の変化による影響は、纎度の変化によりやゝ変化する。(2) 撚係数と強伸度の関係は、普通S.F.紡糸に比し遙かに低い点に強力最高点があり、伸度も大体これと同傾向を示す。その最高点は30/1にて強力につき2.71~2.83、伸度は2.71~3.02の間にある。原糸による変化は纎度の変化により最高点はやゝ上昇する傾向にある。(3) 湿潤強伸度については、殆んど普通S.F.糸の場合と同様の傾向にあり。(4) 収縮率は異状に高く、直紡糸の特性を示す。(5) 撚係数と糸質に及ぼす影響について(イ) 毛羽は、普通S.F.捲縮S.F.の如く細纎度のものは撚度によつて殆んど大した差は認められぬが、太纎度のものは、撚係数2.7~2.8を境として急激に増加する。風棉についても同様傾向にて急増する。(ロ) 紡出調子に及ぼす影響は、強力の関係と同様の傾向にある。