日本養豚学会誌
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ミニチュアブタにおける血漿中コルチゾールの酵素免疫測定法
金子 悦史菅原 豊桑山 岳人門司 恭典神戸川 明百目鬼 郁男
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2003 年 40 巻 2 号 p. 48-54

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抄録

標識ホルモンとして peroxidase を用いたEIAにより, ミニチュアブタ血漿中コルチゾール濃度の測定が可能であるか検討した。抗血清は Cortisol-3-CMO-BSA を自作し, 標識ホルモンとして Cortisol-3-CMO-HRP を用いた。抗血清の力価を検討した結果, 抗血清の適正希釈倍率は, 201,000~242,000倍であり, 本EIAにおいては, 200,000倍にて使用した。標準曲線の作成が可能な範囲は0.01~50ngであり, 各濃度における結合率の変動係数 (n=6) は2.32~11.67%, 測定感度は0.012ng/wellであった。ミニチュアブタ血漿のコルチゾール添加回収実験では, 平均96.0±5.5%, 変動係数は10.4%となった。コルチゾール濃度の異なる3種類の雄ミニチュアブタ血漿 (n=6) について再現性の検討を行った結果, 測定内変動係数は5.4~8.8%, 平均7.2%であった。また, 測定間変動係数は6.7~11.4%, 平均9.0%であった。本方法を用い, 妊娠末期から分娩後5日目までの血漿中コルチゾール濃度を測定した。分娩前までの変動は徐々に増加する傾向をが見られ, 分娩日には90.4ng/mlの最高値を示し, 分娩後3日間は25ng/ml前後で推移した。以上の結果から, 本方法を用いてミニチュアブタ血漿中コルチゾール濃度を測定できることが明らかとなった。

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