2012 年 27 巻 1 号 p. 40-46
我々の体内では微生物などの外来抗原に低濃度で繰り返し暴露されることにより、これら外来抗原に対する結合活性の高い抗体産生リンパ球が選択的に増幅する親和性成熟が常に起こっている。従って、ヒト血液リンパ球は高活性抗体ソースとして優れている。イーベックではヒト血液リンパ球にEBウイルスを感染させることによりその増殖、抗体産生を誘導し、そこから目的とする抗体産生リンパ球を分離し抗体を作製する独自の技術を開発した。本稿では、イーベックの抗体技術と製薬企業とのライセンス経験について紹介する。