The Journal of JASTRO
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放射線治療事故を今後にどう生かすか
―第17回学術大会シンポジウム5のまとめ―
池田 恢早渕 尚文遠藤 真広広川 裕白土 博樹保科 正夫渡辺 良晴熊谷 孝三泉 孝吉
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2005 年 17 巻 3 号 p. 133-139

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抄録

この論文は2004年11月日本放射線腫瘍学会第17回学術大会でのシンポジウム5「放射線治療事故を今後にどう生かすか」の総括である. 2001年から2004年に亘って11件の放射線治療関連の事故が報道され, うち8件では患者への直接の影響が懸念された. 2001年には最初の事故報道と同時に医学放射線物理連絡協議会が結成され, 原因の究明と同種事故の再発防止を目的として調査を行った. 調査の結果, 患者への影響の懸念された8件のうちでは7件までが放射線治療計画コンピュータ (RTPシステム) が関与し, またそのうち4件はその導入時の受け入れ, コミッショニング時の過誤に由来するものであった. また1件では線量評価に関する当事者 (医師と技師) 間の誤解と, それがコミュニケーション不足によって長年月に亘って看過されたことによる. 後半では放射線治療の品質管理・品質保証の維持・向上を目指した最近の活動についても言及した.

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© 2005 日本放射線腫瘍学会
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