日本食生活学会誌
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研究ノート
大学生における調理に対する意識の現状と料理教室参加後の調理に対する意識および調理技術の変化
北野 直子我如古 菜月川上 育代池上 由美沼田 貴美子中嶋 名菜江藤 ひろみ
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2012 年 22 巻 4 号 p. 308-314

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抄録

  本学学生469名を対象に食生活と調理に関する質問紙調査を行った。その結果, 一人暮らしの学生は朝食の欠食率が高く, さらに調理頻度が低い者に欠食率が高かった。また, 調理頻度が低い者は調理技術が低かった。
  そこで, 調理技術の習得を目的に料理教室を実施し, 調理に対する意識と調理技術の変化を検討した。その結果, 料理教室参加前に比し, 調理頻度と調理技術に対する自信に変化はみられなかったが, 料理に対する「楽しさ」は有意に増加し, 80%以上の者が自宅で習得した料理をつくっていた。実技テストにおいては, きゅうりを切った総枚数・円形枚数は有意に増加し, 「切る」技術の向上が認められた。
  以上のことから, 料理教室のような実践的な支援は食事づくりおよび調理技術の向上に寄与したと考える。今後, 家庭での実践に結びつく内容をさらに検討するとともに, 食に関する知識を提供し, 適切な食事の選択ができるような支援が必要である。

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© 2012 日本食生活学会
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