脳卒中
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原著
Telestroke の有用性と課題
相澤 仁志澤田 潤齋藤 司遠藤 寿子片山 隆行長谷部 直幸平沼 初音高橋 康二羽根田 俊守屋 潔
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2011 年 33 巻 1 号 p. 84-88

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抄録

【目的】脳卒中専門医不在の地域基幹病院において遠隔脳卒中診療(telestroke)を試み,その有用性と課題を検証する.【方法】脳卒中専門医チームを有する医療機関と脳卒中専門医不在の地域基幹病院をTV会議システムと放射線画像読影システムで結んだ.地域基幹病院に脳卒中を疑われた患者が搬送されたとき,TV会議システムを用いて得られた神経所見と放射線画像読影システムで転送された画像所見から,臨床診断し,治療方針を決定した.Telestrokeによる脳卒中診療の有用性および課題を検討した.【結果】Telestrokeにより患者の意識状態や麻痺の状態などを直接観察することができた.地域基幹病院で撮影した神経画像をリアルタイムで読影できた.脳卒中専門医のいる医療機関に直接搬送されるときより診断までの時間,治療開始までの時間が短縮した.診療点数が算定されないことが課題であった.【結論】Telestrokeは脳卒中専門医のいない地域基幹病院での脳卒中診療に有用と考えられた.

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© 2011 日本脳卒中学会
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