整形外科と災害外科
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当院で経験した骨Paget病3例の検討
出田 聡志前田 和成鳥越 雅史田口 憲二山口 貴之釘崎 創土居 満岡崎 威郡家 則之本川 哲
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2010 年 59 巻 2 号 p. 263-267

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抄録

骨Paget病は,本邦では比較的まれな疾患といわれている.今回我々は3例の骨Paget病患者を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.3例の発症部位は,それぞれ右股関節,腰部,膝関節と異なるが,いずれも血清ALP高値であり,単純X線,骨シンチ,生検などの検査により骨Paget病と診断した.診断後,ビスフォスフォネート製剤の投与を開始し,現在は症状の改善を認め,検査値も正常化してきている.骨Paget病の予後は比較的良好といわれている.しかし,まれではあるが,経過中に病的骨折や悪性化,二次性の変形性関節症をきたす可能性もあるため,早期診断・早期治療と,長期間の経過観察が必要である.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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