整形外科と災害外科
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腰仙部移行椎と胸腰部肋骨の形態異常の関係
森本 忠嗣小西 宏昭稲富 健司郎奥平 毅山根 宏敏津田 圭一
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2010 年 59 巻 2 号 p. 279-281

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抄録

腰部椎間板ヘルニアに対する手術例411例を対象に,胸腰部肋骨の形態異常と腰仙部移行椎の関係について調査した.胸腰部肋骨の形態異常は第12肋骨の形成不全と腰肋に分類した.腰仙部移行椎の有無により,正常群,L4/移行椎群,L5/移行椎群に分類した.正常群の第12肋骨長径を計測し男女別で平均-2SDの値(男性5.4cm,女性3.6cm)以下を第12肋骨形成不全とした.第12肋骨形成不全の頻度は正常群6.4%,L4/移行椎群46%,L5/移行椎群2.7% であり,腰肋の頻度は正常群3.2%,L4/移行椎群0%,L5/移行椎群32.5% であった.L4/移行椎群は他の2群に比し有意に第12肋骨形成不全の頻度が高く,L5/移行椎群は他の2群に比し有意に腰肋の頻度が高かった(P<0.05).胸腰椎移行部で生じた肋骨の形態異常を腰仙椎が移行椎として補い5椎に帰する働きの存在が示唆された.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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