日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
研究ノート
アズキ餡製造時に生じる煮熟廃液中のスタキオース含量とその回収法
伊藤 友美土田 廣信小原 章裕水野 雅史木村 忠彦
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 55 巻 10 号 p. 506-509

詳細
抄録

5種類のアズキを用い,餡製造工程において廃液として取り扱われている渋切水と煮熟液中の有効利用の検討を目的にスタキオースの含量を測定するとともに,煮熟液の各種処理による回収率および脱色率を測定した.
(1)スタキオース含量は,アズキ中のスタキオース総量の26~49%が煮熟液に溶出されることがわかった.一方,渋切水中のスタキオース含量は,アズキ中のスタキオース総量の2.1~10.1%であった.
(2)CaO(CO2飽充)で処理することにより,アズキの煮熟液中のスタキオースを70~80%回収することができ,吸着樹脂HP20を併用することで脱色効果も期待できることがわかった.
このように廃水処理されている渋切水および煮熟液中にはスタキオースを含有し,これをCaO(CO2飽充)で処理することで副産物の有効利用が期待できると思われる.

著者関連情報
© 2008 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top