理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
人工股関節全置換術患者の術後早期における中殿筋筋活動と歩行機能の回復について
松本 浩実山本 吉藏持田 美希
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2009 年 24 巻 5 号 p. 665-668

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抄録

〔目的〕THA後早期の股関節外転筋力,歩行時の中殿筋筋活動,歩行機能回復の推移を調査した。〔対象と方法〕対象は7名(70.6±8.2歳)の末期の股関節OA女性であった。術式は前外側アプローチであった。筋力測定はマスキュレーターを用い,中殿筋の最大随意収縮と歩行時筋活動は表面筋電図で計測した。〔結果〕股関節外転筋力は術前に対し,術後3~4週にて低値を示したが術後5週にて術前値まで回復した。歩行時の中殿筋%MVCは術前,術後に変化がなかった。歩行速度は術前に対して術後 5週にて高値を示した。〔結語〕歩行能力は高齢THA患者でも入院中に術前より改善する可能性があるが,中殿筋の器質的な機能低下は術後早期には改善されないことが示唆された。

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© 2009 by the Society of Physical Therapy Science
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