2011 年 26 巻 2 号 p. 263-267
〔目的〕膝当てを取り付けた前傾座面椅子と従来の椅子間で,脱力座位と直立座位の際の脊椎カーブと体幹筋活動を比較すること.〔対象〕健常な成人女性10名(25.7±4.9歳)とした.〔方法〕従来の椅子と前傾座面椅子上で,それぞれ脱力座位と直立座位を保持し,その際の体幹筋活動および脊椎カーブを測定した.〔結果〕前傾座面椅子上で脱力座位を保持した際の胸椎および腰椎カーブは,従来の椅子上と比べて,有意に前彎位であった.前傾座面椅子上で直立座位を保持した際の体幹筋活動は,従来の椅子上に比べて有意に低かった.〔結語〕前傾座面椅子を使用することにより,体幹筋活動が少ない直立座位をとることができ,かつ腰椎後彎が少ない脱力座位をとることができることが示唆された.