2011 年 26 巻 3 号 p. 393-396
〔目的〕振動刺激が下腿三頭筋の筋緊張に及ぼす経時的な影響を明らかにすること.〔対象〕下肢に神経障害の既往がない健常男性18名(平均年齢22.1±4.4歳).〔方法〕周波数76.6Hz,振幅2 mmの振動刺激装置を用いて左アキレス腱上に10分間の振動刺激を行った.誘発筋電図装置を用いて振動刺激中のH波およびM波の最大振幅を測定した.そこからH/M比を算出し,下腿三頭筋の筋緊張の状態を評価した.〔結果〕H/M比は,振動刺激開始1分後から低下し,振動刺激開始後3分まで低下し続けた.〔結語〕振動刺激によって介入直後から下腿三頭筋の筋緊張が抑制され,3分後にはその効果が最大となることが明らかとなった.