住友病院皮膚科
住友病院病理学科
2010 年 9 巻 1 号 p. 82-86
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58歳,男性。17年ほど前より右大腿部に移動性の皮下腫瘤を自覚し,夏には鶏卵大まで増大し,冬には縮小していた。その特異な症状より寄生虫感染を疑った。摘出前に超音波検査を施行し,摘出時には生きた虫体を観察することができた。病理組織学的には,脂肪組織内に好酸性の外被に覆われた粗な内部構造を有する虫体と,軽度の好酸球浸潤を伴う肉芽腫反応を認める結節が確認され,ELISA 法の結果から,17年という比較的長期間寄生したマンソン孤虫症と診断した。
皮膚
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