移入種ブラウントラウトの捕食による在来生物に対する影響を調べるため,北海道日高支庁の豊似湖でブラウントラウト 3 尾を捕獲し,胃内容物を観察した。その結果,3 尾中 2 尾の胃内容物から,水産庁と環境省からそれぞれ危急種と絶滅危惧II類に指定されているニホンザリガニが発見された。1 尾あたりのブラウントラウトの胃内容物からは,1~4 個体のニホンザリガニが確認され,ブラウントラウトがニホンザリガニの個体群に及ぼす影響は強いと考えられた。潜在的な定着域においては,他の淡水産甲殻類に対する捕食の影響が危惧される。