膵臓
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症例報告
塩酸ブロムヘキシン投与が有用であった,急性膵炎を繰り返す5mm大の分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍の1例
横田 智行高山 宗三山西 浩文松井 秀隆松浦 文三恩地 森一
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2008 年 23 巻 2 号 p. 146-151

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抄録

症例は66歳女性,膵炎の既往なし.平成15年6月より急性膵炎を繰り返し,近医で加療を受けていた.平成16年3月,原因精査の目的で当院に紹介入院された.当院での膵ダイナミックCTで膵頭部に5mm大の小嚢胞が指摘された.またERPの際に粘液流出による乳頭開口部の開大が確認され,造影では主膵管と交通のある小嚢胞と,主膵管内に粘液栓が充満した像が得られた.膵管内超音波検査では小嚢胞内に1mm大の小隆起が確認された.分枝型の膵管内乳頭粘液腫瘍(IPMN)からの粘液産生により膵炎を繰り返していたものと診断した.患者の同意のうえで塩酸ブロムヘキシンの内服投与を開始.その後は急性膵炎発作を起こす事はなくなり,経過良好である.

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© 2008 日本膵臓学会
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