分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ベイカントクロマトグラフィーの原理に基づくイオンクロマトグラフィーの開発
高田 芳矩伊藤 正人伊藤 三男岩渕 等
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1994 年 43 巻 6 号 p. 435-441

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抄録

試料溶液を連続的にカラムに導入し,純粋な溶離液をパルス状に注入して行われるクロマトグラフィー(ベイカントクロマトグラフィーと呼ぶ)の適用を検討した.装置は通常のノンサプレッサー型のイオンクロマトグラフを使用した.試料はあらかじめ溶離液と混合し,これを連続的にカラムに流しておき,ここにインジェクションバルブから試料成分を含まない溶離液をパルス状に注入した.先端分析,後端分析及びベイカントイオンクロマトグラフィーにおける目的イオンの保持容量は目的イオン及びマトリックス濃度に影響され変動した.ベイカントピークの面積は目的イオンの濃度及びパルス注入する溶液の濃度に比例した.この手法は試薬などに含まれる微量不純物分析に適すると考えられた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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