日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
糖尿病における Glycated Compounds と Superoxide Dismutase (SOD) 活性値との比較及び関連項目の加齢変化について
前畑 英介下村 弘治清瀬 闊林 旭坂岸 良克
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1991 年 28 巻 4 号 p. 520-529

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抄録

Maillard 反応に基づく糖化物質 (GC) のうち, 糖尿病マーカーとしてグリコヘモグロビン (HbA1c), フルクトサミン (FRA) が用いられてきたが, グリコアルブミン (GA) も注目され始めた. 従来からGA測定はアフィニティーカラムにより分離し, 比色する方法が中心であったが, 操作に難点があった. 最近, 島らによって開発されたHPLC-2段階カラム法 (イオン交換カラム, アフィニティーカラム) によるGA専用測定装置GAA-2000を検討した. 一連の基礎的検討の結果, 性能評価に関する結果は良好であった. 本装置によるGA正常値は10.56~16.87%であった. 糖尿病, 糖尿病性腎症の検体 (n=87) でGAを中心とした関連項目の相関程度はFRA (r=0.944)>HbA1c (r=0.842)>Gluc(r=0.501) であった. また, 活性酸素の関与によって生成されるスーパーオキサイドジスムターゼ (SOD), 過酸化脂質 (LPO) との相関は不良であった. 浅田らの方法に従って各年齢層を若年層 (20~39歳), 中年層 (40~64歳), 老年層 (65歳以上) に分けて加齢変化を調べたが, 著しい傾向は見出せなかった.

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