日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
慢性硬膜下血腫を契機に診断され, アスコルビン酸, 加味帰脾湯にて血小板数の維持が可能であった高齢者特発性血小板減少性紫斑病の1例
平野 淳上岡 博
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2001 年 38 巻 2 号 p. 224-228

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抄録

症例は88歳, 女性. 近医で平成6年より血小板減少症として経過観察されていたが, 平成10年3月, 頭痛を主訴に受診し, 頭部CT検査で慢性硬膜下血腫と診断された. また同時に慢性型血小板減少性紫斑病 (ITP) と診断され, ステロイド内服を開始し, 血小板数の軽度回復が認められた. 血腫は手術することなく保存的治療により改善したが, ステロイドの減量により血小板減少をきたすため, アスコルビン酸および加味帰脾湯を投与したところ, 血小板数の改善が認められた.

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