2005 年 34 巻 4 号 p. 237-242
われわれは造影剤アレルギーならびに腎機能障害をもつ症例に対する炭酸ガス造影法の有用性を報告してきた.さらに血管病変の診断法としての炭酸ガス造影に留まらず,一歩進めて炭酸ガス造影による血管内治療(ステント内挿術)を造影剤アレルギー2例,腎機能低下1例,糖尿病を合併した1例の計4例の閉塞性動脈硬化症に血管内治療を行った.すべての症例において血管内治療で血流は改善し,炭酸ガス造影に起因する直接ならびに間接の合併症は認めず,術後経過は順調で全例退院となった.現在定期的に外来での追跡を行っているが異常を認めていない.