日本消化器外科学会雑誌
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直腸癌に対する自律神経温存手術の治療成績
池 秀之大木 繁男大見 良裕辻仲 康伸飯田 明古島 薫大出 直弘土屋 周二
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1987 年 20 巻 5 号 p. 1060-1066

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抄録

直腸癌97症例に対し下腹神経, 骨盤内臓神経, 骨盤神経叢を温存し術後機能の保全をはかる自律神経温存手術を施行し術後機能, 治療成績などについて検討を行った.自律神経温存手術後の排尿障害は12.9%, 勃起障害は14.3%, 射精障害は17.9%で従来の根治手術と比べ低頻度であった.治癒手術例の治療成績を累積再発率からみると深達度ではss, a1までのもの, リンパ節転移陰性例では拡大郭清例と比べ根治性の低下はないと考えられた.しかし, リンパ節転移陰性例においても中分化腺癌は高分化腺癌に比べ局所再発をきたす頻度が高く, 適応を考えるにあたっては病理組織型も考慮する必要があると考えられた.

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