日本消化器外科学会雑誌
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胃癌治癒切除後の腫瘍マーカー測定の臨床的意義
山田 哲司森 善裕北川 晋岩上 榮西浦 和男広瀬 宏一片田 正一品川 誠高畠 一郎中川 正昭
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1989 年 22 巻 9 号 p. 2217-2222

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抄録

術前腫瘍マーカー値が正常であった胃癌治癒切除患者を対象として, 術後腫瘍マ-カーの測定が再発の早期発見に有用か否かの検討を加えた.
腫瘍マーカーはcarcinoembryonic antigen, α-fetoprotein, carbohydrate antigen19-9の3種を測定し, 対象患者440例のうち88例に術後再発を認めたが, 腫瘍マーカー陰性再発例は52例 (59.1%) を占めていた.
術後のcombination assayによる腫瘍マーカー陽性率はCEAが11.1%と最も高かった.術後腫瘍マ-カ-低値群では15.1%に, 高値群では37.5%に再発が認められた腫瘍マーカ-高値群に再発率が高い (p<0.01) ことより, 腫瘍マーカーの測定は有用性のあるものとおもわれた.

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