日本消化器外科学会雑誌
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緊急手術を施行した好酸球性腸炎の1例
大平 学松井 芳文浦島 哲郎碓井 彰大谷口 徹志落合 武徳
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2006 年 39 巻 9 号 p. 1534-1539

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抄録

症例は38歳男性で, エイの肝臓を生食後, 右下腹部痛が出現し, 改善しないため当院を受診した. 初診時, 右下腹部に圧痛, Blumberg徴候を認めた. 血液検査所見で白血球数15,200/μl, CRPが9.48mg/dlと高度な炎症所見を認め, base excessが-7.4mmol/Lと代謝性アシドーシスを呈した. CTで上行結腸に, 壁の限局的な肥厚と周囲の脂肪織濃度の上昇を, また回腸にも部分的に壁の肥厚を認めた. 以上より, 腹膜炎の診断で緊急手術を施行した. 開腹すると, 混濁した腹水が少量貯留し, 上行結腸と回腸にそれぞれ5cm大の硬結を触知し, 硬結を中心にそれぞれ腸管部分切除を施行した. 病理所見で上行結腸, 回腸ともに全層性に著明な好酸球主体の炎症細胞の浸潤を認めた. 術後測定した好酸球分画は9.0%と高値を呈し, 好酸球性腸炎と診断した.

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