リハビリテーション医学
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重症脳外傷患者の社会復帰状況とWAIS-Rとの関係
重症脳外傷患者の知的能力に関する問題点 (第3報)
冨田 祐司宮野 佐年渡辺 修大橋 正洋片桐 伯真久保 義郎
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1999 年 36 巻 9 号 p. 593-598

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抄録

脳外傷患者の社会復帰を検討する際の指標としてのWAIS-Rの有用性について検討した.対象は, 55歳以下, 実用的な屋外歩行が可能で, 失語症がない重症脳外傷患者60例である.社会復帰状況を, 就労群と福祉的就労を含む非就労群に分け, 各知能指数と11の下位検査について検討した.就労群で言語性知能指数 (VIQ) 90.4±14.6, 動作性知能指数 (PIQ) 80.5±14.2, 非就労群でVIQ82.3±14.2, PIQ62.3±13.0で, 非就労群のPIQの低下が顕著であった.判別分析を行うと, PIQとその下位検査の絵画配列と符号が両群の判別に有用であった.これらは社会的能力をよく反映し, 重症脳外傷患者の社会復帰を知的側面から検討する場合, 有用な指標になる.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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