2006 年 29 巻 1 号 p. 6-9
健康乳牛にBacillus subtilis菌体製剤を経口投与し、末梢血液中のリンパ球幼若化能の推移を検討した。リンパ球幼若化能は50gの5日間あるいは250gの1回投与牛のいずれも、初回投与日から投与後2-3日目にかけて上昇し、その後しだいに低下したが、7日目にも投与前に比べて高値(ConA、PWM)を示した。一方、50g28日間投与牛のリンパ球幼若化能は、投与開始時から投与後3-4週目にかけて上昇し、対照牛に比べて有意な高値(ConA、PWM)を示して5週目(投与終了後1週目)には対照牛と同様の値まで低下する傾向が認められた。これらのことから、B.subtilis菌体製剤投与は、PHAやCon Aで刺激されるTリンパ球とPWMで刺激されるBリンパ球活性を増強する作用があり、また、長期連続投与は乳房炎など感染症予防に応用可能であることが示唆された。