歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
顎舌骨筋線の形態学的研究
泉 邦彦小沢 俊堺 拓之若月 英三
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 24 巻 1 号 p. 96-112

詳細
抄録

顎舌骨筋の起始部である顎舌骨筋線は一般に知られているように, 歯科臨床学上重要である。そこで, 筆者らは, インド人成人下顎骨体内面の石膏模型を作製して, モアレ縞等高線を応用しその形態を観察及び計測した。さらにX線を撮影し顎舌骨筋線と歯根尖との位置的関係をも併せて計測し, 比較検討した。今回, モアレ縞で観察した後大部の顎舌骨筋線は, 後端がM3の遠心または後方で直線的に経過するものが多く, 前端はP2の付近で終るのが半数をしめる。さらに, 顎舌骨筋線の最大豊隆部の位置は大部分がM3付近にあり, この部位の外形は点状及び線状形が多く, 梨形もみられる。X線による顎舌骨筋線と歯根尖の位置的関係は, 顎舌骨筋線と根尖とが一致するM1を中心として, P2とその前方歯では, この筋線より上方に, M2とその後方歯では, この筋線より下方に位置する。そして, この一致点は, 日本人ではM2でありインド人では少し前方にある

著者関連情報
© 歯科基礎医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top