日本泌尿器科学会雑誌
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巨大後腹膜血腫を呈した von Recklinghausen 病の1例
清水 朋一山崎 雄一郎巴 ひかる西野 整一東間 紘柴田 亮行小林 槇雄
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1998 年 89 巻 10 号 p. 846-849

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抄録

von Recklinghausen 病の血管病変の多くは腎動脈にみられ, 動脈の狭窄により高血圧をもたらす事が知られている. しかし極めてまれに血管壁の脆弱に伴い自然破裂を来たすことがある. 今回, 腹部大動脈と腰動脈分岐部の自然破裂を来した von Recklinghausen 病の一例を経験した. 患者は救命し得なかったが, 全身の血管の病理所見を検討した結果, すべての筋性動脈に dysplasia を伴うという特異な所見を認めた. 本症例は動脈自然破裂症例としては世界で26例目, 本邦では21例目であった.

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