水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
力丸ダム湖の富栄養化-藻類量とCODの関係-
永淵 修村田 敦子
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 12 巻 11 号 p. 707-714,705

詳細
抄録

福岡県内の1,000万m3以上のダム湖の中で富栄養化の現象のみられる力丸ダム湖をフィールドにCODの富栄養化指標としての適応性ならびに水質の代表性について検討した。
湖内の各測定点でTCODは藻類の現存量をよく表しており, 特にダムサイトにおいて顕著であった。
ダムサイト付近ではTCOD成分の中でDCODが藻類の現存量と高い相関を示した。また, TCODとChlaの関係から求めたCCODは藻類による代謝産物のDCOD成分が含まれていた。
以上のように, TCODは藻類量との関係から富栄養化の指標として有効と考えられた。また, 本ダム湖では藻類由来のDCODが特徴的に高かった。
なお, 本ダム湖のように河道をせき止めたダム湖の水質の代表点はダムサイト付近が適当であった。

著者関連情報
© 社団法人日本水環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top