2005 年 66 巻 9 号 p. 2164-2167
胃癌の手術時のリンパ節に,節性悪性リンパ腫を認めた1例を経験したので報告する.症例は64歳,男性で胃体中部のIIc病変のEMR (endoscopic mucosal resection)後の再発で手術目的入院した.術前CT検査にて大動脈周囲リンパ節の腫大を認め,早期胃癌と悪性リンパ腫併存の疑いで手術を施行した.腹腔鏡補助下幽門側胃切除術, D1+αリンパ節郭清および大動脈周囲リンパ節のサンプリングを行い,病理で早期胃癌,悪性リンパ腫の診断を得た.術後経過は良好で,血液内科に転科後,化学療法(CHOP)を受け,それぞれ術後30カ月の現在再発の徴候なく経過観察中である.