日本臨床外科学会雑誌
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胸骨後胃管再建後の胃管壊死例における遊離空腸再建法の工夫
福田 千文井手 博子佐藤 裕一野崎 幹弘森山 宣成宮 孝祐
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キーワード: 食道再建術, 胃管壊死
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2006 年 67 巻 10 号 p. 2388-2391

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抄録

食道切除術で,胸骨後胃管再建後の広範囲胃管先端壊死による縫合不全に対する再建術は一般に手術侵襲が大きく困難である.今回65歳,男性,食道癌根治手術,胸骨後胃管再建後に広範囲胃管先端壊死を起こし術後5カ月経過,胸骨後挙上胃管が盲端化した症例の消化管再建術に際し新しい工夫として,健常胃管前面の胸骨を部分切除し,胸骨前皮下経路で頸部食道胃管間に遊離空腸を移植し再建しえた症例を経験した.本術式は他の再検術式に比べて手術侵襲が比較的小さく,胸骨後再建後の広範囲胃管壊死盲端化例に対する有用な術式工夫と考えられる.

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